2026.01.25
クラシックシリーズ
第51回定期演奏会
On Gut Strings
HAYDN&BEETHOVEN
彼らはスチール弦をガット弦に張り替え、音の時間軸を静かに遡ってゆきます。
このカルテットは、古典作品を現代の習慣から一度解き放ち、作曲家たちが生きた時代に息づいていた音楽の姿をあらためて見つめ直すために結成されました。
彼らはハイドンやベートーヴェンが聴いていた音に耳を澄ませ、そこに潜む音楽の本質に透明な好奇心とともに近づこうと試みます。
柔らかく有機的な音色を持つガット弦。現代の弦楽器とは異なる質感や陰影とともに、彼らの視点を媒介として浮かび上がる音楽の時間をどうぞごゆっくりお楽しみください。
東京藝術大学にルーツを持つ若き音楽家たちがそれぞれの音楽へのまなざしを持ち寄りお送りするクラシックシリーズの定期演奏会、第51回。
*ガット弦:羊の腸を撚り合わせて作られた18世紀当時の伝統的な弦で、柔らかく自然な響きが特徴。現代では、張力が高く、明瞭な発音、大きな音量、環境変化に強いスチール弦が弦楽器の標準素材となっています。
- 日時
- 2026年1月25日(日)
17時開演(16時開場) - 場所
- sansa
東京都港区赤坂2-20-19 赤坂菅井ビル1F - 出演
- ヴァイオリン:山田晃(東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程1年)
ヴァイオリン:土川瑞記(東京藝術大学音楽学部楽理科4年)
ヴィオラ:難波洸(東京藝術大学音楽学部器楽科4年)
チェロ:倉上樹(東京藝術大学音楽学部器楽科4年) - プログラム
- ハイドン:弦楽四重奏曲第16番 変ロ長調 作品3-4 Hob.III:16 (伝ホフシュテッター)
ハイドン:弦楽四重奏曲第3番 ニ長調 作品1-3 Hob. III:3
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第2番 ト長調 作品18-2
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第6番 変ロ長調 作品18-6 - ホワイエ
- 開演前、休憩中にバーをご利用いただけます。
- チケット
- 5,500円(税込)
1drink、プログラムノート付。
下記「チケット購入」ボタンよりお求めください。
またはh@hakudoku.jpまで下記を添えてお申し込みください。
①公演名
②お名前
③人数
④お電話番号
*本公演はチケットレスです。当日はご予約のお名前で確認させていただきます。
*恐れ入りますが、未就学児の方のご入場はご遠慮いただいております。 - 主催
- 白読
Artist Profile
<このカルテットについて> 文:山田晃
このカルテットは簡単に申し上げますと、「変わった取り組み」を試みようという4人の集いです。
この「変わった」というのは、音楽を新しい見方で読み解いてみようというもので、今の時代には創意的と捉えられるかも知れません。
音楽における「美学」は20世紀以降の音楽教育により、大きな変貌を遂げました。例えば、1930年頃を境に、それまで主流であったガット弦──羊腸を乾燥させ撚り合わせたもの──は、より強靭で安定性の高いスチール弦へと置き換えられました。また、特には19世紀に重んじられた柔軟なテンポの揺れは、20世紀以降「一定のテンポ感を保持し厳守する」方向へと移行し、それに伴い弓の使い方や表現法、解釈の枠組みに至るまで、多方面で大きな変化が生じました。
すなわち今日、私たち現代人の知るモーツァルトやベートーヴェンの作品は、「彼らの生きた当時とは大きく異なった美学で語られているのではないか」と思うわけです。当然音楽だけではなく、どのような時代にもそれぞれの芸術に各々の美学があり、またそれは時と共に変化します。いくら文献資料を読み漁っても実際に当時の演奏を聴くことは叶わず、最後には演奏家の思想により音楽の方向性は決まります。何を重んじるか、また良きものとするかは自分の心次第なのです。
しかしながら、価値観が多様にあるこの現代社会に生きる中で、私たちはあえて「それぞれの作曲家が生きた時代の音楽とは如何なるものだったのか、音楽の本質とは何かを改めて問うてみたい」と強く思い、このカルテットを結成致しました。何時もオリジナルに立ち返り、それを模索しようと向き合えば、まるでタイムマシーンにでも乗るかのような類稀なノスタルジーや期待に胸が躍るのではないでしょうか。私たちはその喜びの本質を探し求めていきたいと思っています。
白読クラシックシリーズ
東京藝術大学にルーツを持つ若き音楽家たちがそれぞれの音楽へのまなざしを持ち寄り、サロンのような親密な空間で室内楽や独奏を中心にお送りするシリーズ。バッハから現代までさまざまな作品に取り組んでいます。毎月一回の定期演奏会ですので、これからクラシック音楽に親しむ機会にもしていただけます。どうぞお気軽にいらしてください。